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第11回朝日健康フォーラム
働く女性のためのセルフメディケーションのススメ! 健康でキレイな毎日をめざそう!
働く女性の多くは普段から頭痛、冷え症、ダイエットや偏食からくる栄養不足など、多種多様な悩みを抱えています。しかも、忙しい毎日の中では病院に通うことも難しいのではないでしょうか。11月13日に有楽町マリオン(東京)で開催された第11回朝日健康フォーラム「働く女性のためのセルフメディケーションのススメ!」では、自分の体を自分でケアする“セルフメディケーション”の重要性について、さまざまな意見が交わされました。
出演者
【はじめに】 関野秀人さん(厚生労働省 医薬食品局総務課 薬事企画官)
【第1部】トークライブ ゲスト 高樹沙耶さん(女優、フリーダイバー)
【第2部】パネルディスカッション パネリスト 高樹沙耶さん 三上彰貴子さん(オールアバウト「薬について」ガイド、薬剤師) 小田瑞恵さん「こころとからだの元気プラザ」女性のための生涯医療センター ViVi所長 大槻 浩さん(日本大衆薬工業協会副会長) 司会 林田かよさん
 
一般用医薬品の販売制度改正について
厚生労働省 医薬食品局総務課 薬事企画官 関野秀人さん
日本生活習慣病予防協会理事長  池田義雄さん 薬には大きく分けて、病院や診療所など医師の診断を受けて薬局で処方してもらう「医療用医薬品」と、処方せんなしに薬局やドラッグストアで買える「一般用医薬品」の二つがあります。「一般用薬品」、普段「市販薬」とか「大衆薬」などと呼ばれることもありますが、今日は「一般用医薬品」について三つのポイントをお話ししましょう。

 まず、薬の説明書を必ず読んで、使用時期や量、使用方法をきちんと守ることが大切です。のみ合わせの悪いものと一緒に服用すると、薬が効きすぎたり、逆に効果が弱まることがあるからです。
 次に、薬を購入する際には薬剤師など専門家から薬の説明を聞いてください。2009年から薬の販売方法が変わり、パッケージの表示や陳列方法をはじめ、薬の種類によっては薬剤師による説明義務などがでてきます。そのため、薬剤師からの説明を聞いて、注意事項を守って服用してください。
 最後に、薬を正しく服用したにもかかわらず副作用がでた場合は、救済制度があり、「独立法人医薬品医療機器総合機構」で医療費などの給付を行っています。
 私たちの生活に身近な「薬」について皆さんに理解を深めていただき、活用してほしいと考えています。

●独立行政法人医薬品医療機器総合機構   http://www.pmda.go.jp
 フリーダイヤル0120・149・931 電話03・3506・9411

 
第1部 トークライブ 仕事も趣味も充実!「健康」で「キレイ」にいられる秘けつ
 
呼吸を整え、見つめ直すこと。
それが私の心と体のケアになります。

林田 今回は、女優業はもちろん、フリーダイビングで日本記録を樹立するなど、仕事もプライベートも充実している高樹沙耶さんに、健康と美しさを保つ秘けつをお聞きします。高樹さんは3年前に生活の拠点をハワイから日本に移しました。最近はどんなことに興味がありますか。
高樹 日本の海の汚れが気になります。どうすれば環境に負担をかけずに生活できるか、また消費するだけでなく、循環させること、育むことに関心を持っています。
林田 生活や考え方で変化はありましたか。
高樹 脂身や刺激物を取らない精進料理のような食生活になりました。ダイビングを始める前は肩や頭がいつも重く感じていたのですが、ダイビングと食生活でずいぶん体が軽く感じるようになりました。都会でストレスフルな生活を送っていた20代の頃より、30代のダイビング中心の生活をしていたときのほうが、肉体が若返っている感覚がありました。ただ、自然のなかにもストレスはありますから、都会がダメで田舎がいいというわけではないんです。両方で生活をしてみてそれぞれの良さを感じました。

高樹沙耶さん

林田 都会でも自然のなかでもストレスとうまくつきあっていくことが大切なのですね。ところで、「セルフメディケーション」という言葉をよく聞きますが、高樹さんにとってのセルフメディケーションはやはり自然を通じて行うものでしょうか。
高樹 私はダイビングを通じてセルフメディケーション、つまり、自分で自分をケアする方法を見つけました。ほかに、ヨガの呼吸法もおすすめです。
林田 ヨガの呼吸法とはどのようなものですか。
高樹 ヨガといっても特別なことではないんです。まず、鼻から大きく息を吸って、しばらく止めます。その後にゆっくり、少しずつ口から吐いていきます。このとき大切なのは自分自身と向き合うこと。今、自分がどういう状態なのか自分に聞いて知る。5分でも10分でもいいんです。静かに自分を見つめてストレスを吐き出してしまいましょう。
林田 高樹さんにとってのダイビングやヨガのように、働く女性一人ひとりが自分の心と体をケアする方法をみつけていけたらいいですね。
 

第2部 パネルディスカッション 働く女性の悩み解決!セルフメディケーションのススメ
 
林田 働く女性に特有の病気や健康に関する悩みと、セルフメディケーションには欠かせない「大衆薬」の役割についてお話を聞きます。まず、プロがさまざまな疑問に答えてくれる生活情報サイト「オールアバウト」で「薬について」のガイドを務める薬剤師の三上彰貴子さんにお聞きします。三上さんのところにはどのような悩みが寄せられていますか。
三上 生理痛をはじめ、職場環境やストレスからくる肩こり、ドライアイなどが多いですね。最近は夏でもブーツをはく人が増えていますから、水虫の悩みもあります。そのほか、肌あれや、ふだん服用している薬と病院から処方された薬とののみ合わせ、副作用に関する質問などが見られます。
林田 次に「こころとからだの元氣プラザ」女性のための生涯医療センターViVi所長の小田瑞恵さんにお話をうかがいます。
小田 私どもは、女性のスタッフによる「女性専門外来」で、女性の医師が患者さんに時間をかけてお話しし、全人的な診察をすることをコンセプトとして治療を行っています。患者さんが持っている悩みは実にさまざまですが、多いのは月経に関する悩みですね。月経痛、premenstrualsyndrom(PMS=月経前症候群)、月経不順などです。
林田 PMSとはどのような症状ですか。
小田 月経の10日から1週間ほど前になると、体のむくみやおなかの張り、気分の不調、場合によってはうつ状態になることもあります。人間関係にも影響をおよぼし、仕事をする女性にとっては生活の質にかかわる問題です。PMSの症状が軽い場合は、規則的な生活を心がけ、休養を十分とるなど生活習慣を見直すことで改善されることもあります。
 

自己判断できない体の不調は
専門家に相談するようにします──高樹沙耶さん
 
林田 女性の社会進出が進むなか、目には見えない病気やストレスなどが問題になっているように思いますが。
小田 ストレスのない生活は無理ですから、ストレスとうまくつきあう方法のひとつとして、医療機関や薬局を利用してもらいたいですね。
林田 働く女性の悩みを解消するキーワードに「セルフメディケーション」という考え方があります。それはどのような考え方ですか。
三上 セルフメディケーションは、ひと言で説明しますと「自分で自分を治す」ことです。例えば、生理痛やかぜのときに薬局で購入した薬を使って治すことがセルフメディケーションです。仕事で病院に行けずに薬局で薬を買う人も多いかと思いますが、その際はぜひ薬剤師に相談してください。
林田 頭痛薬やかぜ薬は相談せずに選ぶこともあるかと思いますが、専門家に相談した方がいい理由は何でしょうか。

高樹沙耶さん

三上 たとえば、同じ病気でも症状によって効く薬が異なります。間違った選び方をしてしまうと、治りが遅かったり逆に症状が悪化してしまうこともありますので、なるべく自己判断せずに薬剤師に相談した方がいいですね。
林田 高樹さんはどうですか。
高樹 私の場合は動物的な勘で(笑い)、自分の体に耳を澄ませばわかるような気がしていましたが、「同じ病気でも症状によって薬に選び方がある」という話を聞いてやはり専門家に相談するのが一番だと思いました。
 

市販薬は用法・用量を守ってこそ
役に立つものです──大槻 浩さん

林田 それでは「セルフメディケーション」について日本大衆薬工業協会の取り組みを大槻さんにうかがいます。
大槻 製薬会社の団体である私たちからお願いしたいのは、市販薬のパッケージに入っている説明書をよく読んでいただくということです。間違った服用方法を防ぐためにも、わかりやすい文書にする努力をしています。
林田 女性向けにつくられた薬というのはあるのでしょうか。
大槻 本当に女性しかのまない、のんではいけないように決められた薬というのは少ないのです。だからこそ、女性の体調や体質をみきわめて服用することが大切です。
三上 女性に限定していなくても、においが少なく肌にやさしい湿布薬や、小さめの錠剤、持ち運びしやすい小さなパッケージなどが見られますね。
高樹 においの少ない湿布は助かります。ラベンダーとか、好きな香りの湿布があればいいのに。

大槻 浩さん



まず薬局・薬店、そして
病院と両方を上手に活用しましょう──小田瑞恵さん



小田瑞恵さん

林田 大槻さん、ラベンダーの香りですって。
大槻 はい、承りました(笑い)。
林田 ほかに女性ならではの注意点はありますか。
小田 妊娠していると気づかずに薬をのむケースが多いので気をつけてほしいですね。妊娠の可能性がある人は、購入する際に必ず薬剤師へ相談してください。
林田 市販薬の上手な利用法を教えてください。
三上 ポイントは二つ。事前に症状の理由がわかっているときと、症状が軽いときです。生理痛や偏頭痛などは「痛くなりはじめたな」というときには早めにお使いください。かぜ薬の場合は、3、4日ぐらいを目安に、改善しないようでしたら受診しましょう。


かかりつけ薬局、薬剤師は
身近な健康カウンセラーです──三上彰貴子さん


林田 それでは注意点についてもお聞かせください。
三上 先ほど大槻さんの話にも出ましたが、使用上の注意が書かれている説明書を読むことです。「体が大きいから量も2倍のむ」「下剤を2倍のんだ」と自己判断でのまれる話も耳にしますが、それはちょっと困ります。用法・用量を守って服用しないと薬が効き過ぎる可能性もありますから。ほかに、薬には使用期限がありますから、年2回ぐらいをめどに確認してください。近所の薬局や、相談しやすい薬剤師のいる薬局などを「かかりつけ薬局」として利用するのもおすすめします。
林田 それでは、小田さんに医師からみた市販薬とのつきあい方についてお聞かせください。
小田 月経痛や頭痛などで3日間ほど市販薬を飲んでも良くならない場合には、大きな病気が隠れていないか医師に診てもらった方がよいでしょう。診療の結果、大きな病気がないことがわかれば、生理痛など症状に合わせて処方します。その際、市販の薬でも大丈夫ですかと聞かれたら、「それでもいいですよ」と答えることもあります。三上さんからかかりつけ薬局の話が出ましたが、気軽に相談できるかかりつけ薬局をもつのも立派なセルフメディケーションです。

三上彰貴子さん

林田 市販薬を提供する側からのご意見も大槻さんにお聞きします。
大槻 最初に厚生労働省の関野さんから市販薬の販売方法が変わる話がありました。市販薬がもっと身近で買いやすくなるのは便利ですが、それだけにもっと薬についても、自分の体についても関心を持っていただきたいと思います。薬というものは「薬そのもの」と「情報」が組みあわさってできているものです。その点を踏まえて、皆さんのセルフメディケーションに役立てていただきたいと思います。