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お薬出前講座  
   
 
日頃から健康には十分注意したいもの。そのためにも、自分の健康は自分で守るという意識をもつことが大切です。薬局や薬店で購入できる大衆薬を利用して上手にセルフメディケーションを行うために、薬の種類や正しい使い方のヒントなどを話し合う朝日健康フォーラム「お薬出前講座」が東京、千葉、大阪の3会場で開催されました。皆さんから寄せられた質問に専門家が答えるQ&Aのコーナーもあり、具体的なアドバイスも紹介されました。
【東京】10月23日「プラザエフ」
【千葉】11月6日「ペリエホール」
【大阪】11月13日「エルおおさか」
 
 
講演/健康のパートナー・かかりつけ薬剤師
 
3回にわたり開催された「朝日健康フォーラム」では、会場となった各地域の薬剤師会を代表して、山本信夫さん(東京会場)、米澤正明さん(千葉会場)、児玉孝さん(大阪会場)が、かかりつけ薬剤師を持つことの大切さを訴えました。3人の方々のお話を要約してみました。

薬と上手に付き合うためにかかりつけ薬剤師に相談を

 今、日本は長寿国の一つに数えられています。でも、ただ長生きができればいいのかというと、そうでもありません。自分のため、そして家族のためにも健康な体で長生きをしたいものです。そのためには、日頃から健康に対する意識を持つことが大切です。
 健康を維持するために私たち薬剤師会では、自分の健康は自分で管理しようというセルフメディケーションを推進しています。「なんとなく調子が悪いけれど、病院に行くほどでもない」というときは、まず薬局・薬店で購入できる薬を上手に使い、早めの対処や病気予防を心がけてください。


薬剤師は薬のアドバイザー正しい判断で健康を管理

 薬局・薬店で購入できる薬は「大衆薬」と呼ばれ、病院などで医師により処方される「医療用医薬品」と区別されています。比較的作用がおだやかであるということで「大衆薬」は売られていますが、「クスリ」を反対から読むと「リスク」となるように、大衆薬といっても誤った使用法は逆に症状を悪化させてしまう可能性もあります。どれが自分の症状に合う薬なのか、その薬を服用する際にはどのようなことに注意しなければならないのか。薬剤師はそのような疑問に答え、安心してセルフメディケーションができるお手伝いをしています。正しく、しかも効果的に薬を使うためにも、薬を購入するときは専門知識を持った薬剤師に相談するようにしてください。

いざというときに相談できる身近なところに安心の場を

 薬剤師は、医師などと同様に国家試験によって認められた薬の専門家です。薬局・薬店に行けば薬剤師に相談することができますが、何かあったときにすぐに相談できるかかりつけ薬剤師を持っていただきたいと思います。
 かかりつけ薬剤師は、皆さんが過去に服用した薬やアレルギー、副作用などの症状を記録しています(薬剤服用歴記録簿といいます)。たとえば、複数の医療機関で診察を受けていて、それぞれで薬を処方してもらったり、薬局・薬店で購入している場合には、のみ合わせのチェックをすることができます。もし、そこで相互作用や重複投与などの問題がある場合は、医師にその旨を伝え薬について相談するなどの措置をとります。
 また、今はメディアなどを通してさまざまな情報が出回っていますが、情報量が多いだけに、どれを信頼していいのか分からないといった声も聞かれます。疑問や不安はそのままにせず、気軽に相談していただきたいと思います。かかりつけ薬局や薬剤師のように、何でも相談できる場所が一つでもあると、いざというときにも安心です。
 かかりつけ薬剤師は、皆さんの健康のパートナー。身近な薬の相談相手として、ぜひ有効に活用してください。
 
シンポジウムから/セルフメディケーションQ&A
 
医薬品とサプリメントは何が違うの?

 医薬品とは、病気を治したり、病気の進行を抑えるためのものです。医薬品の承認をとるためには、厳格な審査をパスしなければなりません。どのような成分がどのくらい入っているのか、その成分にはどのような効き目があるのか、どんな病気に有効なのかなどをさまざまな実験データをもとに証明し、「効能・効果」をうたっても問題ないものだけが医薬品として認められます。
 一方、サプリメントは健康食品とほぼ同義で、食事だけでは摂取しきれない栄養成分を補給するためのものです。基本的には食品なので、治療用として使うものではありません。あくまでも健康を維持増進するための栄養補給に使われるものです。
 最近では「特定保健用食品」と呼ばれるサプリメントもあります。これは、一定の臨床試験で効果が示された健康食品のことですが、あくまでも食品の一種なので、医薬品とは区別するようにしてください。
 
セルフメディケーションとは?

 セルフメディケーションとは、自分で自分の健康を管理することをいいます。風邪を引いたときに薬局で買った風邪薬をのんで安静にすることも、セルフメディケーションの一つです。日頃から健康を意識して病気を予防したり、病気になった場合でも早めに対処するために、大衆薬などを上手に利用して自分の健康を守るようにしてください。
 でも、「セルフ」とはいっても、すべてを自分だけで判断するという意味ではありません。大衆薬で対処できなければ病院に行くという判断をすることも、セルフメディケーションなのです。正しい選択をするためにも、薬剤師など専門家のアドバイスを受けながら適切に行っていく必要があります。
 セルフメディケーションは、自分の体を知ることから始まります。かかりつけ薬剤師など身近な健康のアドバイザーに相談しながら、もしも大衆薬だけで対処できない場合は、すみやかに医師の診察を受けるようにしてください。
 
薬を服用するときに気をつけることは?

 パッケージには、薬を服用するときの注意点が記載されています。まず確認していただきたいのは、「次の人は服用しないでください」という注意書きの部分。ここに該当する場合は、その薬を服用することによって体に悪影響を与えてしまう可能性もあるので、服用は控えてください。
 自分の症状に合う薬かどうかは、「効能・効果」の項目をチェックすれば分かりますが、たとえば一口に「おなかが痛い」といっても、食べ過ぎ・飲み過ぎによるものなのか、下痢によるものなのかなど痛みの原因によって選ぶ薬が変わります。どの薬がいいのか迷ったら薬剤師に相談してください。
 薬は正しく使用してはじめて効果が期待できるもの。用法・用量をきちんと守って服用してください。パッケージの中には、説明書が同封されています。それでも分からないことがあったら、薬剤師に相談したり、製薬会社のお客様相談窓口に電話するなどして納得してから使うようにしてください。
 
大衆薬で医療費控除を受け受けられるって本当?

 医療費控除とは、家庭での医療費が年間10万円を超えた場合に、年末調整で税金の一部が戻ってくる制度のことです。年間の医療費が源泉徴収票の給与所得控除後の金額の5%を超えた場合も対象になります(そのどちらにも当てはまる場合は、いずれか金額が低い方が基準になります)。
 意外に知られていないのですが、大衆薬を購入した場合も医療費控除を受けることができます。でも、すべての大衆薬が当てはまるかというと、そうではありません。基本的には、病気を治療するためにかかった費用に対して控除が受けられます。当てはまるものとしては、風邪薬、胃腸薬などがあります。一方、病気予防のために購入した薬は、控除の対象にはなりません。
 控除を受けるためには、領収書を税務署に提出する必要があります。ところが、薬局・薬店では薬以外の物も売っているため、ただレシートを提出しただけでは受け付けてもらえません。領収書のただし書きの欄には、「お品代として」といった大まかな表記ではなく、購入した大衆薬の商品名をきちんと明記してもらうようにしてください。
 
薬はどうやって保管するのがいいの?

 薬の説明書には、よく「直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に密栓して保管してください」と書かれています。ならば冷蔵庫がいいだろうと思う方もいるでしょう。確かにシロップ剤や坐剤などは、温度の高いところに置いておくと変質しやすくなるため、冷蔵庫で保管するのが理想的です。
 ただし、必ずしもすべての薬を冷蔵庫に保管するのがいいわけではありません。冷蔵庫と室内温度との差によって起こる結露が薬につくと、表面が溶けたりはがれたりして変質する可能性があります。ですから、冷蔵保存の指示のない限り錠剤やカプセルなどは、冷蔵庫での保管を避けてください。ソフトカプセルの場合、低温・低湿度では表面が硬くなりますが、高温・高湿度だと軟らかくなりくっついてしまうため、特に夏の保管場所には注意が必要です。
 薬には必ず「使用期限」があります。これは薬の品質が確保される期限。正しい方法で保管していても、使用期限を過ぎている場合は、服用しないでください。