
膣カンジダとはどんな病気で、どんな症状ですか?
膣カンジダとは、膣内の常在菌であるカンジダ菌という真菌(カビの仲間)の異常増殖によって起こる膣炎です。カンジダ菌は男女に関係なく、皮膚や口の中や腸にも存在する常在菌の一種です。抗生物質の服用、糖尿病、疲労、妊娠など様々な要因によって膣内の菌バランスが崩れてカンジダ菌が繁殖すると、膣カンジダを発症します。 膣と外陰部の炎症を合併することが多く、「外陰膣カンジダ症」ともいわれ、婦人科領域の感染症の中では、比較的よく見られる疾患です。
どうして膣カンジダになるのですか?
膣カンジダは、以下の原因があると言われています。
どのように治療するのですか?
膣カンジダが疑われる場合、婦人科または産婦人科等を受診します。検査の内容は、膣および外陰部の症状を調べ、膣鏡を入れておりもの性状を検査します。検査の結果、膣カンジダと診断された場合には、抗真菌薬の膣錠や膣坐剤、クリーム剤で治療します。
なぜ再発した人にしか使用できないのですか?
外陰部のかゆみやおりものの変化は多くの疾患であらわれます。初めて膣カンジダが疑われた場合、その症状が膣カンジダなのか自己判断が出来ないため、婦人科または産婦人科等による確定診断が必要です。最初は自己判断で医薬品を使用せず、必ず医師の診療を受けてください。なお、同様の症状が再発すれば、自己診断で使用できます。
どのくらいで効果が現れるのですか?
おりものやかゆみ等の自覚症状は、通常3日で改善がみられ、6日で消失するとされています。6回タイプの場合、症状が改善しても菌が膣内に残っている場合がありますので、症状が改善したからといっても治療を中断せず、必ず6日間連続使用してください。
膣錠を使用した翌日、薬が崩れたようなものが、おりものと一緒に出てきました。使用を続けてもいいですか?
続けて大丈夫です。膣錠は内服薬のように体内に吸収されて効果を発揮するのではなく、膣内で溶け崩れてカンジダ菌に直接作用し、膣カンジダを治療します。膣錠が効果を発揮した後、おりものとともに体外に排泄されたものだと思われますので、心配いりません。そのままの形や大きさで出てきたときには医師又は薬剤師にご相談ください。
膣錠、膣坐剤、クリーム剤は生理中でも使用できますか?
生理中や治療中に生理になった場合は薬が流れ出てしまう可能性がありますので、使用しないでください。
糖尿病の場合は、なぜ使用してはいけないのですか?
一般的に糖尿病は、免疫力を低下させるため、膣カンジダを頻繁に繰り返す可能性や、複合感染の可能性も考えられます。医師の治療を受けてください。(禁忌事項)
60歳以上は、なぜ使ってはいけないのですか?
60歳以上の方は、体力や免疫力が低下している人が多く、頻繁に症状を繰り返したり、複合感染する場合も多くなります。また思わぬ重篤な疾病が隠れている可能性も考えられますので、医師の治療を受けてください。(禁忌事項)
授乳していますが、使用できますか?
授乳婦及び乳児に影響を与えた報告はなく、通常膣粘膜からの薬の吸収はほとんどありませんが、傷等が患部にある場合は吸収されることも考えられます。念のために、医師又は薬剤師に相談してください。(相談事項)
膣錠・膣坐剤は、クリーム剤と併用してもいいですか?
おりもの等の膣症状がなく外陰部の発疹を伴うかゆみが現れた場合は、外陰部でカンジダ菌が増殖している可能性がありますので、カンジダ治療のクリーム剤をご使用ください。この場合、クリーム剤単独でも治療可能ですが、膣内にも原因菌が増殖している可能性があるため、膣錠又は膣坐剤との併用をお勧めします。
膣錠・膣坐剤を使用していますが、かゆみがひどいので、外陰部にステロイド剤やかゆみ止めクリームを併用してもいいですか?
外陰部にカンジタ治療薬以外の外皮用薬を使用すると、カンジダ症状を悪化させたり、治療を遅らせる可能性がありますので、これらの薬剤は使用しないでください。