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会長 新年ご挨拶

日本OTC医薬品協会 会長 上原 茂

2026年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
また、平素より当協会の事業活動に格別のご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。


わが国における高齢長寿社会の進展や物価高騰の影響により、医療機関の経営環境は悪化し、診療報酬等の引上げが求められる一方で、社会保障費の個人負担のこれ以上の増大は厳しい状況にきております。こうした状況の中、社会保障制度を持続可能なものとするために、政府において保険給付と負担の見直し等社会保障の全体像についての本格的な議論が始まり、新たな局面を迎えようとしております。昨年の骨太の方針2025にもセルフケア・セルフメディケーションの促進が明記され、今後ますますセルフケア・セルフメディケーションの果たす役割が重要になってきております。

当協会では、かねてより自助・共助・公助の観点から、「自分の健康は自分のために自分で守る」というセルフケアや軽微な身体的不調は自分自身で手当てするセルフメディケーションの普及を進めてまいりました。

昨年12月に公表されました令和8年度税制改正大綱では、セルフメディケーション税制について「スイッチOTC医薬品の適用期限の撤廃(それ以外の医薬品は5年延長)」および「消化器官用薬全般および一部の鎮咳去痰薬・OTC検査薬など対象範囲の拡充」が盛り込まれるという進展がありました。特に、業界が長年要望してきました「セルフメディケーション税制の恒久化(適用期限の撤廃)」は、セルフメディケーションを前進させる大きな一歩となります。昨今、医療財政が切迫してきている中、当協会では、当初より医療費適正化への貢献そして将来起こるであろう生活者のくすり(薬剤費)の自己負担増を見据えて、セルフメディケーション税制等の政策提言を続けてまいりました。今回の恒久化により、生活者が安心してセルフメディケーションに取り組めるようになるとともに、業界としても長期的視点に立ち、更なる使いやすいシステム開発や仕組み作りに取り組むことが可能になると思われます。しかしながら、更に生活者の利便性を向上させることが必要であり、今後もすべてのOTC医薬品・OTC検査薬への対象拡大やより患者負担を軽減する仕組み作りを目指して活動してまいります。

また、OTC医薬品・OTC検査薬の普及・拡大につきましては、骨太の方針2025で「当初の医師の診断や処方に基づき症状の安定している患者が定期的に服用する医薬品や、低侵襲性検体である穿刺血を用いる検査薬を含む医薬品・検査薬の更なるスイッチOTC化」が言及され、慢性疾患領域におけるOTC医薬品活用の検討が進みつつあるところです。当協会では昨年10月開催の日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会OTC医薬品分科会にて、「生活習慣病薬のスイッチOTC化」「生活者のヘルスリテラシー向上」をテーマにシンポジウムを開催し、「セルフケア・セルフメディケーション関連骨太方針達成のための提言」を発出させていただいたところであります。

2026年は、以下の4つの重点活動項目に取り組んでまいります。

  1. OTC医薬品・OTC検査薬の普及・拡大

    慢性疾患治療薬などの新たな領域へのスイッチOTC範囲拡大の支援をしてまいります。
    OTC検査薬については、日本臨床検査薬協会と連携し、生活習慣病関連項目のOTC化を見据えた制度改正を推進してまいります。また、小学校等の教育の普及および生活者に対しての症状毎の対処情報集を活用した教育活動を通じて、ヘルスリテラシーの向上をさせ、生活者がセルフメディケーションを実践できるように支援してまいります。


  2. セルフメディケーション税制の利便性向上
    セルフメディケーション税制が浸透しない要因として、申告の煩雑さも上位となっております。今後、DXの活用(アプリ・マイナンバーカード等)など申告の利便性を向上させることにより、利用者数の増加を目指してまいります。また、同税制の対象品目をすべてのOTC医薬品・OTC検査薬への拡大や購入費から差し引く金額の引き下げと控除の上限額の引き上げなど制度改善を継続して提案してまいります。

  3. セルフメディケーションに関するDXの促進
    生活者が迅速かつ的確に情報へアクセスできるようにセルフメディケーションプラットフォームの機能を強化してまいります。OTC医薬品情報の提供、税制申告支援、e-ラベリングなど、デジタル技術を活用した利便性を向上させる取組みを日本一般用医薬品連合会と協働して進めてまいります。

  4. OTC医薬品の品質・信頼性向上
    製造管理・品質管理体制に対する社会的信頼を確保するため、法令遵守体制の整備を進め、会員各社におけるGMP・GQP・GVP体制の強化に取り組みます。



以上、これらの取組みを、関係団体やステークホルダーの皆様との連携を深めながら、協会活動を推進してまいります。

年頭にあたり、皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。引き続き、当協会に対して、変わらぬご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上